手掌多汗症

「手掌多汗症」をご存知でしょうか。
特に運動しているわけでもないのに、手のひらや足の裏などに異常な汗をかいてしまう病気です。

お医者さんに診てもらったわけではないですが、多分俺はこの病気です。
汗がダラダラ垂れるほどではないので、軽症だと思いますが。

 

小さい頃から靴下が大嫌いでした。
自宅はもちろん、人の家にお邪魔しても、靴下が気持ち悪くて脱いで過ごしていました。
きっと靴下の中が汗で蒸れるのがイヤだったんでしょうね。
でも靴下を履かずに靴を履くのは、靴の中が蒸れてしまってもっとイヤだったので、靴を履く時は渋々と靴下を履いていました。

集中して字を書くと、握っているペンや紙にまで汗がつきます。
例えば学校でテストを受けていて、その解答用紙が藁半紙だったりするともう大変。
汗が染み込んでフニャフニャにふやけ始めて、そのふやけたところに鉛筆の先端が当ると簡単に破けます。
どうにか書き込めたとしても、終わってみて自分の右手の小指側(解剖用語で小指球と言います)を見ると、鉛筆の色が移って真っ黒。
学校ではいつも休み時間のたびに手を洗っていました。

ギターの弦は15分も弾いたらしっかりと拭き取らないとすぐに錆びてしまいます。
弦だけでなく、ペグやブリッジなどのパーツに至るまで。
なので俺の所持しているギターは基本的に錆だらけです。

マッサージの専門学校時代、神経系を勉強する授業でこんなことを習いました。

人間が緊張すると手に汗をかくのは、人間がサルだったころの名残である。
敵に襲われそうな危険を察知すると、高いところに逃げるために木に登るが、その木登りをしやすくするために手足に発汗する。
その証拠に「手に汗を握る」という言葉がある。

その先生の持論かもしれませんが、妙に納得できてしまう自分がいました。

iPhoneのTouch IDは手に汗をかいている時はホームボタン自体が汚れてしまって反応しません。
なので現在ではFace IDを好んで使っています。

 

2年ほど前にお笑いコンビ「アイデンティティ」の見浦さん(野沢雅子じゃない方)が手掌多汗症の手術を受けたというニュースを読みました。
それで初めて、自分以外にも同様の悩みを持っている人がいることを知ったし、手術で治ることもわかりました。

また、それらは遺伝的な要素もあるとのこと。
思えば俺の母方の祖母と伯父も同様だったと子供の頃から聞かされていました。

 

ところが、このコロナ禍でのテレワークがキッカケであることに気づきました。

自宅で仕事するときはパソコンラックに向かって椅子に座っているんですが、手掌多汗症のためにその金属の足場が汗で滑ることが多かったんです。
滑ると怪我をしかねないし、きっと痛いので、PCに向かっているときは大嫌いな靴下を履くようになりました。
それもその2年ほど前から履くようになった5本指の靴下です。

5本指靴下を履くようになったのは、第一に水虫の対策です。
趾間型の水虫を患っていたので、趾間の汗を吸い取ってくれて蒸れないようにするために試したのが始まりです。
これが多少効果あったようで、蒸れはもちろん、キツかった足のニオイも薄れました。

話を戻します。
自宅でPCに向かうときに5本指靴下を履くようにしたら、今まではマウスやキーボードにも手の汗が付くことが多かったんですが、それが付かなくなったんです。
もっと言うと、5本指靴下を履いてるときは手掌多汗症の症状がピタっと止まりました。
でも完治したわけではなく、靴下を脱げば症状が現れます。

足にアプローチしているのに、手の汗をも止めるなんて不思議なものですが、十分に効果があると思っています。
今では朝起きてから、寝る前に入浴するまでずっと5本指靴下を履きっぱなしです。
しかも冬場だけでなく真夏でも。
つい2年前まで靴下が大嫌いだった俺が…です。
それほど効果を感じているということなんです。

汗は止めたいが医師に相談するほどでも…という方は是非5本指靴下を試してみては如何でしょうか。

 

昨日、大学生の姪が同じ症状で悩んでいると義姉から相談があり、5本指靴下を勧めたことで、記事にしておこうと思ってここに記しました。